私は父と二人で暮らしている。
家を出る時間も食事も寝る時間も違うので、二人で暮らすというよりはシェアハウス状態だ。
私たちの連絡手段はSMS(ショートメッセージ)。父はスマホを持っていないのでLINEもできない。
今日はそんな二人のSMSでの会話を、時系列でまとめてみた。
未だ慣れない父
父はガラケーしか持っていない。しかも会社支給のやつだ。いろんな親戚からLINEを始めさせてくれと言われるけど、持っていないものは仕方ない。
そんな父はいかなる人との会話も敬語だ。もちろん私に対しても敬語。律儀な人間だ。
や、はなんなんだ。
私がふらっと行方知れずになったら心配してSMSを送ってくれる。
転校した友人への手紙か、というくらいよそよそしいものがある。父につられて私も敬語を使う。
弁当の報告をする父
私は仕事が忙しい時期があった。父より遅く帰るのが日常茶飯事になると、買った弁当を報告してくれるようになった。
この頃はまだ初々しい弁当報告だ。飲み会で朝食べますと返した。
逆に父の帰りが遅いことは滅多にないので行き倒れているんじゃないかと心配になる。でも大体飲んでる。
父が酔ってカギをなくして、鍵を閉めずに待っていたことがあった。いつも入れている場所になくて、どこにいったのか思い出せないと言っていた。元気よく(めんどくさい感じで)帰ってきてそのまま布団に入り、思い出せるかな~と言いながら寝てた。お茶目な一面もある。
弁当報告はしばらく続く。
父は近所のスーパーで20%引きシールが貼られるのを待って買ってくる。財布の紐が固いくせにビールは2本買ってくる。
以前両親が熱海旅行に行くとなった時も、父が朝4時に起きて鈍行で行くと言い出した。旅行くらい楽したい!と母と言い合いになって、もう1人で行って!って言われてた。
私が好きな寿司系を多めに買ってくれる。
仕事で大変だと励ましてくれたりもする。
夏らしいうどんセットを買ってくれた。父は旬が好き。
父が飲み会の日は、レトルトカレーをおすすめされる。うちのご飯は父宛てに送られてくるふるさと便や贈り物で成り立つ。年に一回、いくらとサケの瓶詰めが届くと二人で喜ぶ。
どこにいるの?じゃないところがいいんだよな。(心配かけるな)
突然仕入れ業者になったりする。お歳暮のたくさん届く夏は食料が豊富だ。お弁当報告もしばらくお休みになる。
弁当の種類が増えてきた。たまに20%引きの弁当の中にはハズレもある。長時間冷やされすぎてご飯がカッチカチになっているやつだ。レンジで温めても食べれたもんじゃない。でも父は水振りかけたりして頑張ってふやかしてる。カチカチのご飯をほかほかにする方法知っていたら教えてください。
豪華な松茸弁当を最後に弁当報告は終わりました。
弁当いる?
弁当報告ではなく、「弁当いる?」とだけ来るようになった。メニュー書くのがめんどくさくなったのかもしれない。
「弁当いる。」はもう問いかけなのか、逆に私に弁当を頼んでいるのかわからない。あと父は飲み会ではなく懇親会と言う。
急に絵文字使うな(笑)
「弁当いる?」を待つようになる。
寿司的なやつを注文し始める。
節分には恵方巻を買ってきてくれた。買ってきてくれると「ごはんありがとー」と言うし、父の誕生日にはプレゼントもあげる。見返りが大きいから。
これはお弁当の申請だったのかと知る。
仕事が落ち着いてくると私のほうが先に帰ってきてしまうことが増えた。でも父は弁当いるかどうか、聞いてきてくれる。
明日も明後日も弁当いるよ。