毎年のことだが、この時期になると仕事が忙しくなる。
今年は特に忙しさを極めていて、気づくと爆食しているか、奥歯を噛み締めている。
1日だけ無性に物を壊したくなった日もあって、それはさすがに自分でも驚いた。
今日は春めいた陽気だというのに、仕事が終わらず休日出勤をした。
職場の最寄駅の改札には、新入社員らしい女子の集団や、スーツをピシッと決めた明るい顔の男子たちがたむろしている。
そうか、今日4/1なんだよな。
みんな漫画の主人公みたいな顔をしている。
こんな雲ひとつない春の日に、働くだけではもったいないと思い、朝、一時間早く家を出て、職場近くの桜のある公園に来たのだ。
いつもならランチがてら花見をするのだが、今年は昼休みも忙殺されていて、近くにある桜すら見れてなかったのだ。
桜はまだ咲いてくれていた。
朝だからか、桜の名所なのに人は少なく、歩いては立ち止まり桜を眺めた。
よく見るともう5割くらい散っていて、葉桜にはなってないものの、桜の花びらはシワシワである。
そのシワを見てばあちゃんを思い出した。
去年、満開の頃に見た桜は瑞々しくて、4/1の新入社員みたいだったけど、今日のこの桜のシワはすごくばあちゃんみたいだ。地元にいるばあちゃんに今年は会いに行こうと思った。
そのまま近くの公園で読書をした。
最近はめっきり読書に浸っている。
心身を回復させたい時は、没入するのが1番である。
毎日、仕事から家に帰ってラジオを聴きながら軽い夕飯を作り、ジャングルのドキュメンタリーを見ながら食事をして、シャワーを浴び歯磨きをする。
あとは寝るだけの状態にしてから、布団に入ってめいっぱい本を読む。
スマホやタブレットの光はほぼ見ないようにして、ニュースもSNSも見ずに、好きな本だけ読む。
何にも考えないために読んでいる。
毎日楽しみな時間だ。
そうして均衡を保っている。
動物のドキュメンタリーもいい。
今まで見てたYouTubeやゆるいお笑いすら受け付けられなくなった時の最終手段が自然のドキュメンタリーだ。
ジャングルや海の動物に密着したドキュメンタリーがいい。
「サルの赤ちゃんって、母親のお腹にずっとぶら下がってるけどあんなに小さいのに腕力がすごいのかな？」とか誰に話しても興味を持ってくれなさそうな疑問が浮かぶ。すぐ調べてみて、やっぱり腕力がすごいらしいと知る。
なるほど、と思うとすごく頭の中がすっきりするのだ。
本と自然と動物にこんなに助けられたことはない。
エコしよう。
