ゴッホの靴下と電波

先日実家から物資が届いた。

おせんべいやタオルなど、実家で余ってるものを母が送ってくれるのだ。

その中に母のセンスではない靴下が2足入っていた。

次の日、その靴下を履いて会社に行った。

黄色いひまわりの絵が書いてある靴下だ。

 

そしたら昨日お姉ちゃんがテレビ電話してきて、その靴下はお姉ちゃんが選んだものだと知った。

ゴッホのひまわりの絵が描かれている黄色い靴下と、星月夜の柄の青い靴下だ、と言われた。

言われてみれば、そうだ。ゴッホの絵だ。

 

 

そんな話をしていると、テレビ電話の電波が悪くなってきた。声も途切れ途切れで、画像もかなり遅れている。というか、画像はもう止まっている。

 

『すごい声遅れてるよ!何言ってるかわからない!』

と画面の右側に寄って止まったままの姉が言っている。

 

もう切ってもいいんじゃないかと思ったが、

『靴下履いた?』

という声が聞こえてきた。

 

何秒前に聞かれた質問なのかわからないけど、黄色い靴下を履いたことだけ伝えようと思った。

 

「履いたよ。黄色。」

『え?何?』

「黄色の靴下。」

『え?わからん(笑)』

「黄色。履いた。」

 

『何色あげたっけ?忘れちゃった。』

「黄色履いた。あと紺もあった。」

『黒?』

「いや、黄色。」

『黒と紺だっけ?』

「き、い、ろ。」

『え?黒?』

「黄色。ひまわりの。」

『え?全然聞こえない(笑)』

 

もうめんどくさくなった。

遅れもひどいし、黒はなんの記憶なんだよ。

電波の悪さも最高潮に達したので電話を切った。

 

そしてLINEで黄色と送った。

IMG_0349.jpeg

(笑)と返ってきてまた電話がかかってきた。

 

もういいよと思ったけど、音声のみ通話にして結構喋った。

 

 

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